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【第51回】洋食の老舗 RESTAURANT 煉瓦亭


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先日銀座に行った折に用事があまりに早く済んだので、美味しい洋食屋さんがあると聞き寄ってみました。ちょっと小雨の降る日だったんですが、店の前には着いたものの店の外にはメニュー・料金がわかる看板等はないし、白いレースのカーテンがかかっていて中はのぞけないしで、正直高いんじゃないかと店先で戸惑っていたら「いらっしゃいませ」と扉が開き、お店の方に傘袋を差し出されてしまいました。仕方なく、いや仕方なくってこともないけど案内されるままに店内に入れば、ほんとに絵に書いたような洋食屋さんというかレストラン。地下の席を案内されたんですが、もう間違いなく老舗レストラン、値段も老舗料金ですよ。ランチメニューなどどこにもない様子。とにかくこうなったら一番洋食っぽいものを頼もうってことで、カニコロッケを注文すると「単品になりますが」とのことば。「じゃあライスも」ってことでカニコロッケとライスを頼みました。ちなみにカニコロッケ1200円、ライス200円です。

僕の席は水を汲んだり、料理を出したり下げたりするカウンターの正面で、カウンターの前にはウエイターとウエイトレスが1人ずつ立っており、カウンターの中にはコックが1人。ウエイターとウエイトレスも老舗ですから落着いた態度です。メニューをとるさいの鉛筆も老舗サイズ、もう5cmぐらい。それにキャップをつけて使っています。そしてその鉛筆をほんと昔ながらの鉛筆削りで削ります。コックはカウンターの中で上から昇降機で降りてくる料理を黙々とカウンターに並べてます。ただ並べているだけなんて飽きないのかと心配なってきますが、そこは老舗ですからもうそんな疑問は生まれないにちがいありません。

そんな伝統を守り続ける老舗の厳かな雰囲気で料理を待つこと15分。カニコロッケが運ばれてきました。俵型のコロッケが2つ。デミグラスソースの上に乗っています。ソースの上にコロッケです。これが老舗です。上からソースをかけたりしません。付け合わせは特にソースはかかっていないフィットチーネと何か味付けされたマッシュポテト。まことに上品な味でした。1つ600円のコロッケ味わい深かったです。写真撮ろうと思ったのですが、目の前にウエイターとウエイトレスが立っていて、恥ずかしくてやめました。なのでレジの脇にあったステッカーをもらってきました。創業110周年ですって。ホームページもあるみたいですね。興味ある人はのぞいてみて下さい。僕もこれ書き終わってからのぞくことにします。では。



写真=煉瓦亭のステッカー(free)