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【第21回】特別なことはしていない特別な豆腐


 毎日暑いですね。こんな暑い日は冷奴です。最近美味しい豆腐を発見したんです。京都・洛庵の「無農薬丸大豆豆腐」というんですが、これがほんと美味しい。何もつけずに食べても、ほんと美味しい、甘くて味が濃いです。スーパーなんかで普通の豆腐よりちょっと高いよせ豆腐なんての売ってるけど、そんなのとは比べものになりません、というか比べちゃいけません。美味しい豆腐と言えば、昔、九州の友達の実家に遊びに行った時に食べた豆腐も美味しかったなぁ。それはとても固い豆腐で、固いたって豆腐だからね、でも箸でしっかりもてるぐらいの固さですごいコクがあったような憶えがあるんだけど、10年以上昔の話だからな。でもこの「無農薬丸大豆豆腐」もしっかりしたコクのある美味しい豆腐です。

 お店でこの豆腐について書かれた紙をもらったんですが、それによると、国産無農薬栽培丸大豆、地下60mから汲み上げた井戸水、そしてにがりは伊豆大島の天然にがりを使用しているとのことです。このにがりによって豆腐は固まるわけですが、ほとんどのにがり豆腐はにがりの主成分である塩化マグネシウムを使っているそうで、一般的な豆腐ではすまし粉と呼ばれる硝酸カルシウムやグルコノデレクタラクトンを使用していて、本来のにがり豆腐ではないそうです。すっかり「美味しんぼ」のような話になってしまいましたが、要はとにかく本物の豆腐ってことです。

 そしてこの豆腐を売ってるのは、近所の酒屋です。酒屋で豆腐を売ってるんです。店先にヴォジョレー入荷しましたみたいに、京都・洛庵の無農薬豆腐入荷しました、と看板が出てるんです。酒屋の方が、豆腐の試食会に行ってとても美味しかったからと売ってるんですが、コンビニやスーパーで酒を買う機会が多い昨今、こんなこだわりの酒屋さんにはいつまでも頑張って欲しいと思います。この日は泡盛を買って、泡盛と豆腐で贅沢な気持ちになりました。



写真=京都・洛庵の「無農薬丸大豆豆腐」(262円)と南風(泡盛)

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